○川崎町子どもの権利条例

平成29年12月14日

条例第19号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 子どもにとって大事な権利(第4条―第7条)

第3章 子どもにやさしいまちづくりの推進(第8条―第12条)

第4章 子どもの権利を守るための施策(第13条)

第5章 子どもの権利に関する救済、検証(第14条―第26条)

第6章 雑則(第27条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、子どもは個人として尊重される存在であり、権利の主体であることを明確にするとともに、子ども・子育てにやさしいまちづくりの推進並びに子どもの権利を保障するための支援の仕組みや子どもの権利侵害の救済及び回復に関する事項を定めることにより、将来にわたって子どもの権利及び子どもの健やかな成長が保障されることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 町民 町内に居住する者、通勤する者、通学する者その他町内で活動する個人をいう。

(2) 子ども 18歳未満の町民をいう。

(3) 保護者 子どもの親又は親の代わりに子どもを養育する立場にある者をいう。

(4) 事業者 町内において営利又は非営利を問わず事業を行う者をいう。

(5) 子ども関係施設 児童福祉法(昭和22年法律第164号)に規定する児童福祉施設、学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する学校、社会教育法(昭和24年法律第207号)に規定する各種施設、その他子どもが関係する施設又は団体をいう。

(責務)

第3条 保護者は、子どもの成長及び発達についての第一義的責任を持つことを認識し、その養育する子どもの権利の保障に努めなければならない。

2 町は、子どもの権利を尊重し、あらゆる施策を通じてその権利の保障に努めなければならない。

3 町民及び事業者は、子どもに関わる場や機会において、子どもの権利の保障に努めるものとする。

4 子ども関係施設の関係者は、子ども関係施設において、子どもの権利の保障に努めるものとする。

5 町、保護者、町民、事業者、子ども関係施設の関係者は、お互いに連携して子どもの権利の保障に努めるものとする。

6 町は、国、他の地方公共団体などと協力し、町の内外において子どもの権利が保障されるよう努めるものとする。

第2章 子どもにとって大事な権利

(安心して生きる権利)

第4条 子どもは、安心して生きる権利を有しており、その権利を保障するため、主として次に掲げることが守られなければならない。

(1) 生命が守られること。

(2) 愛情及び理解をもって育まれること。

(3) 健康に配慮され、適切な医療が受けられること。

(4) 平和及び安全な環境の中で生活ができること。

(豊かに育つ権利)

第5条 子どもは、豊かに育つ権利を有しており、その権利を保障するため、主として次に掲げることが守られなければならない。

(1) 学ぶこと。

(2) 遊ぶこと。

(3) さまざまな文化・芸術及びスポーツに触れること。

(4) 自分の考えを持ち、育むこと。

(5) 子どもの個性及び他者との違いを認めること。

(6) 成長段階に応じて、適切な指導や支援を受けること。

(社会に参加し意見を表明する権利)

第6条 子どもは、自ら社会に参加し、意見を表明する権利を有しており、その権利を保障するため、主として次に掲げることが守られなければならない。

(1) 自己表現及び自分に関する意見が尊重されること。

(2) 仲間を作り、仲間と集うこと。

(3) 社会に参画し、意見を生かされる機会があること。

(4) 社会参加に関して、適切な支援が受けられること。

(守られる権利)

第7条 子どもは、守られる権利を有しており、その権利を保障するため、主として次に掲げることが守られなければならない。

(1) あらゆる不当な権利の侵害から逃れられること。

(2) 身体的、精神的若しくは性的暴力を受けず又は放置されないこと。

(3) あらゆる形態の差別を受けないこと。

(4) 自分に関する情報が不当に収集されず又は利用されないこと。

(5) 気軽に相談でき、必要な支援を受けること。

第3章 子どもにやさしいまちづくりの推進

(啓発)

第8条 町は、子どもの権利について町民の理解を深めるため、適切な手段によりその広報を行うものとする。

2 町は、家庭教育、学校教育及び社会教育の中で、子どもの権利についての学習及び研修が推進されるよう必要な教育環境の整備に努めるものとする。

3 町は、子ども関係施設の関係者、医師又は保健師等の子どもの権利の保障に職務上関係のある者に対し、子どもの権利についての理解がより深まるよう研修の機会を提供するよう努めるものとする。

4 町は、子どもが自主的に行う子どもの権利についての学習を支援するよう努めるものとする。

(子どもの参加・意思表明)

第9条 町は、子どもが地域における活動に参加する機会を促進するよう、その方策の普及を行うものとする。

2 子ども関係施設の設置者又は管理者は、子ども、保護者、職員その他の関係者が参加し、意見を述べ合う機会を提供するよう努めるものとする。

3 子ども関係施設の行事や運営などについて、子どもの考えや気持ちを表明したり、参加したりする機会を設けるよう努めるものとする。

4 町は、子どもがまちづくりや町政等に意見を表明又は参加する機会を提供するよう努めるものとする。

(居場所づくり)

第10条 町、町民、事業者及び子ども関係施設の関係者は、地域において、子ども同士が遊び等の体験を通じ、豊かに成長できるよう、安全で安心な居場所づくりに努めるものとする。

2 町は、自主的に居場所づくりをしている町民及び事業者と連携を図り、その支援に努めるものとする。

(子育て支援)

第11条 町、町民、事業者及び子ども関係施設の関係者は、保護者が安心して子育てをすることができるよう努めるものとする。

2 町、町民、事業者及び子ども関係施設の関係者は、保護者の子育て及び仕事の両立を支援するとともに、子どもが健やかに成長できる環境づくりに努めるものとする。

(虐待防止)

第12条 町は、子ども関係施設の関係者及び町民と連携をとりながら、子どもに対する虐待の予防と早期発見及び虐待を受けたと思われる子どもに対する迅速かつ適切な救済を行うものとする。

2 町、子ども関係施設の関係者及び町民は、虐待を受けたと思われる子どもの心身の回復のために、関係団体等との連携に努めなければならない。

第4章 子どもの権利を守るための施策

(施策の推進)

第13条 町は、子どもの権利を保障し、子どもにやさしいまちづくりの施策を推進するため、行動計画を策定しなければならない。

2 町は、行動計画を策定し又は見直すときは川崎町子ども・子育て会議条例(平成25年条例第52号)に基づいて設置される会議の意見を聴かなければならない。

3 町は、行動計画を策定し又は見直したときは、速やかにその内容を公表しなければならない。

第5章 子どもの権利に関する救済、検証

(子どもの権利相談機関)

第14条 町は、子どもの権利相談員を置く。

2 子どもの権利相談員は、子どもの権利に関する相談に応じ、必要な助言及び支援を行うものとする。

(子どもの権利救済委員)

第15条 子どもの権利の侵害に対応し、その救済及び権利の回復を支援するため、川崎町子どもの権利救済委員(以下「救済委員」という。)を置く。

2 救済委員は、3人以内とする。

3 救済委員は、子どもの権利に関して識見を有する者のうちから町長が委嘱する。

4 救済委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。

(救済委員の職務)

第16条 救済委員は、子どもの権利の侵害について、子どもの救済及び回復のために助言又は支援を行うものとする。

2 救済委員は、権利の侵害を受けている子どもについて、本人、保護者又はその子どもの関係施設から救済を求められたとき又は救済委員の判断により、必要に応じて調査、調整又は勧告をすることができる。

3 救済委員は、勧告によってなされた対応の報告を求めることができる。

(救済委員の活動方式)

第17条 救済委員はそれぞれ単独でその職権を行使することができる。

2 前項の規定にかかわらず、救済委員が次に定める事項を行うには、救済委員全員の同意を必要とする。

(1) 第21条に定める救済手続からの除外決定

(2) 第24条に定める勧告等の公表

(3) その他、救済委員が必要と認めたとき。

(救済委員の責務)

第18条 救済委員は、公平かつ公正にその職務を遂行しなければならない。

2 救済委員は、その職務の遂行に当たっては、町、県並びに国の関係機関及び民間の関係団体と連携を図るよう努めなければならない。

3 救済委員は、その職務上の地位を政治的、営利的又は宗教的な目的に利用してはならない。

4 救済委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。職を退いた後も同様とする。

(救済委員の解嘱)

第19条 町長は、救済委員の心身の故障によりその活動ができないと判断したとき又は救済委員としてふさわしくない行為があると判断したときは、その職を解くものとする。

(救済手続の開始申立)

第20条 自らの権利が侵害されたと考える子ども、その法定代理人又は子ども関係施設は、救済委員に対して救済手続の開始を求めることができる。

(救済手続からの除外)

第21条 救済手続の対象とすることが適切でない事案については、別に規則で定める。

(救済委員への協力)

第22条 町は、救済委員の活動について積極的に支援しなければならない。

2 保護者、町民、事業者及び子ども関係施設の関係者は、救済委員の活動に協力するよう努めなければならない。

(勧告又は要請への対応)

第23条 町は、救済委員から勧告又は要請を受けたときは、速やかに、その対応状況等を報告しなければならない。

2 町以外の者は、救済委員から勧告又は要請を受けたときは、速やかに、その対応状況等を報告するよう努めなければならない。

(勧告又は要請等の内容の公表)

第24条 救済委員は、必要と認めたときは、勧告若しくは要請又はその対応状況等(この条例において「勧告等」という。)を公表することができる。

(報告)

第25条 救済委員は、活動状況等を町長に報告しなければならない。

(子どもの権利の保障状況の検証)

第26条 町は、この条例による施策、行動計画の実施の結果及び子どもの権利の保障状況について検証を行わなければならない。

2 前項の規定による検証は、川崎町子ども・子育て会議条例に規定する会議に対して諮問し、答申を受けることにより行うものとする。

第6章 雑則

(委任)

第27条 この条例に定めるもののほか、この条例の実施に必要なその他の事項は、規則で定める。

この条例は、平成30年4月1日から施行する。

川崎町子どもの権利条例

平成29年12月14日 条例第19号

(平成30年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第1章 社会福祉/第2節 児童・母子福祉
沿革情報
平成29年12月14日 条例第19号