○川崎町職員の分限処分に関する取扱要綱

令和7年3月27日

告示第6号

(趣旨)

第1条 この要綱は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第28条第3項の規定に基づき、職員の意に反する降任、免職、休職及び降給(以下「分限処分」という。)を行う場合において、別に定めがあるもののほか、分限事由に該当する可能性がある場合の標準的な対応措置等に関し必要な事項を定めるものとする。

(対象職員等)

第2条 この要綱の対象となる職員は、次の各号のいずれかの場合に該当する職員とする。ただし、法第22条に規定する条件付採用期間中の職員及び同法第22条の3第4項に規定する臨時的に任用した職員は除くものとする。

(1) 勤務実績不良な場合(以下「勤務実績不良職員」という。)

(2) 心身の故障のため職務の遂行に支障等がある場合(以下「心身の故障職員」という。)

(3) 適格性欠如の場合(以下「適格性欠如職員」という。)

(4) 第12条第1項の規定に基づく受診命令に違反した場合

(5) 行方不明の場合(以下「行方不明職員」という。)

2 前項各号のいずれかに該当し、対応措置が必要となる事実の例は、別表のとおりとする。

(勤務実績不良職員及び適格性欠如職員に対する対応措置)

第3条 所属長は、当該職員が勤務実績不良職員又は適格性欠如職員に該当すると思われるときは、勤務成績の評定等その他分限事由に該当する具体的な事例・客観的な事実に基づき、当該職員に対し、注意、助言及び指導を行うほか、必要に応じ、担当業務の見直し、研修の受講、職場における支援体制の構築その他の改善を図るための対応措置を講じなければならない。

(対応措置等の記録等)

第4条 所属長は、前条の規定により、注意、助言及び指導その他の対応措置(以下「対応措置」という。)を講じたときは、その内容及び対応措置を講ずる前後の当該職員の状況について、行動観察記録・対応状況記録票(様式第1号。以下「記録票」という。)に記録するとともに、当該職員の勤務実績不良の状況・問題行動を示す資料があるときは、当該資料の収集を行うものとする。

(所属長の報告)

第5条 所属長は、前条の規定により記録した記録票及び収集した資料を総務課長に提出し、当該職員の状況を報告しなければならない。

(総務課長の事実確認)

第6条 総務課長は、前条の規定による報告があったときは、当該職員と面談を行い、勤務実績不良又は適格性欠如の内容について、事実確認を行うものとする。

2 総務課長は、前項の面談のほか、必要に応じて、当該所属長及び当該所属の同僚職員等から聴取り等を行い、事実確認を行うものとする。

(警告書の交付)

第7条 町長は、前条の規定により総務課長が行った事実確認の結果、勤務実績不良又は適格性欠如のため必要があると認められる場合は、法第28条第1項又は川崎町職員の分限に関する手続及び効果に関する条例(昭和26年条例第42号)第2条の規定に基づく分限処分の可能性がある旨を記載した警告書(様式第2号)を当該職員に対し交付し、改善を求めるものとする。

2 前項の規定により警告書の交付を受けた職員は、文書の提出により、当該警告書に対する弁明を行うことができる。

(警告書の交付後の観察)

第8条 所属長及び総務課長は、町長による警告書の交付後、当該職員の状況が改善されているかどうかを継続して注意深く観察し、及び確認するものとし、必要に応じて、当該職員に対し指導等を行うものとする。

2 所属長は、町長による警告書の交付後における当該職員の状況について、引き続き記録票に記録しなければならない。

(分限処分の検討)

第9条 町長は、第3条から前条までに規定する対応措置を講じたにもかかわらず、警告書の交付から6箇月が経過しても当該職員の状況の改善が見られないと判断する場合は、川崎町人事諮問委員会(以下「諮問委員会」という。)に対し、当該職員の分限処分について諮問するものとする。

(心身の故障職員に対する対応措置)

第10条 所属長は、当該職員が心身の故障職員に該当すると思われるときは、その者の心身の故障の状況等を綿密に把握し、記録票により、遅滞なく総務課長に報告しなければならない。

(総務課長の対応措置)

第11条 総務課長は、前条の規定による報告があったときは、必要に応じて、当該職員若しくはその家族等と面談等を行い、又は主治医等に連絡し、状況の把握に努めなければならない。

(受診命令等)

第12条 町長は、当該職員が次の各号のいずれかに該当する場合は、法第28条第1項第2号に該当するか否かを確認するため、受診命令書(様式第3号)により、町長が指定する医師2人に受診することを職務命令として命ずるものとする。

(1) 前条の規定により総務課長が状況を把握した結果、法第28条第1項第2号に該当する可能性が高いと認められるとき。

(2) 勤務実績不良又は適格性欠如の例に該当する場合で、その問題行動が心身の故障に起因すると思われるため、総務課長が医師の受診を勧めたにもかかわらず、これに従わないとき。

2 町長は、前項の規定により受診命令を受けた職員が正当な理由がなくこれに従わない場合は、法第28条第1項第3号に該当するものとして、諮問委員会に対し、当該職員の分限処分について諮問するものとする。

(診断結果に基づく措置等)

第13条 町長は、当該職員が前条第1項の規定に基づき受診した結果、町長が指定した2人の医師から、将来的に回復の可能性がないため、又は病気休職の期間中には回復の見込みが乏しく長期の療養を要するため、職務の遂行には支障があり、又はこれに堪えない旨の診断がなされた場合は、諮問委員会に対し、当該職員の分限処分について諮問するものとする。

2 総務課長は、当該職員が前条第1項の規定に基づき受診した結果、町長が指定した2人の医師のうち少なくとも1人から、前項に規定する診断と異なり、回復を示唆する診断がなされた場合は、当該医師から今後の回復の可能性(回復までに要する期間、治療方法等)について教示を受け、当該職員本人及びその家族並びに当該職員の所属長と連携しながら、状況の改善に努めるものとする。

3 町長は、当該職員が前項の規定に基づき職務に復帰した後、1年以内に、再び同様の疾病のため病気休職となった場合は、諮問委員会に対し、当該職員の分限処分について諮問するものとする。

(行方不明職員の対応措置)

第14条 所属長は、当該職員の行方不明の事実が判明した場合は、速やかに総務課長に報告するものとする。

(分限処分の検討)

第15条 町長は、当該職員が行方不明となった後、1箇月を経過しても行方が判明しない場合は、職場への復帰が見込まれないものと推定して、諮問委員会に対し、当該職員の分限免職処分について諮問するものとする。

(分限処分の実施)

第16条 町長は、分限処分を実施する場合におけるその内容については、諮問委員会の答申の内容を尊重して、決定するものとする。

(委任)

第17条 この要綱に定めるもののほか、分限処分に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この要綱は、令和7年4月1日から施行する。

別表(第2条関係)

分限処分の事由に該当し、対応措置が必要となる事実の例

勤務実績不良

初歩的な業務上のミスを繰り返し、業務の成果物又は処理数が職員の一般的な水準と比べて著しく劣る。

所定の業務の処理を行わず、又は上司への報告、相談等を怠る等独断で業務を行う。

担当業務を処理することができず、常に上司その他の職員等からの支援を必要とする。

正当な理由なく、業務の処理に係る期限を守らず、又はその業務を行わない。

遅刻又は欠勤を繰り返し、出勤状況が悪い(事前に所属に連絡がある場合を含む。)

勤務時間中に無断で頻繁に自席を離れ、又は業務外の電話若しくは電子メール・インターネット等に興じるなど職務に専念しない。

勤務成績の評定等において、連続して最低ランクの評価をされる等改善の努力が見られない。

心身の故障

3年間の病気休職の期間が満了するにもかかわらず、病状が回復せず、今後も職務の遂行に支障がある。

病気休職中であるが、心肺機能停止後こん睡状態や脳死状態であるなど、今後回復して就労が可能となる見込みがない。

3年以上にわたり、病気休暇や病気休職と短期間の出勤を繰り返し、症状が回復せず、職務の遂行に支障がある。

適格性欠如

上司その他の職員等に対する暴力、暴言、誹謗中傷を行う。

上司その他の職員等又は町民等との対応において、粗暴な言動等により、トラブルを繰り返す。

他者とのトラブルにより、当該職員本人の業務の停滞だけでなく、他の職員の業務の遂行にも悪影響を及ぼしている。

公務員として必要な適格性・品位・社会的信頼に対し、疑問を抱かせるような問題行動を繰り返す。

上司等からの指導に対し、反抗的な態度を示し、反省又は改善の行動が見受けられず、同じようなことを繰り返す。

懲戒処分を受けた者がその後3年以内に非違行為(交通法規違反、管理監督責任及び軽過失によるものを除く。)を行った。

受診命令違反

心身の故障職員又は勤務実績不良職員及び適格性欠如職員で、その問題行動が心身の故障に起因するものと思われる場合であって、町長が指定した医師への受診命令に従わない。

行方不明

水難、火災その他の災害によるもののほか、当該職員と連絡が取れず、1か月以上にわたり行方不明である。

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川崎町職員の分限処分に関する取扱要綱

令和7年3月27日 告示第6号

(令和7年4月1日施行)